知識が多すぎるためにいろいろな場合を想定しすぎて、結論が出せない人や、これまでの知識・経験に縛られてしまって、時と場合に応じた柔軟な推論ができなくなるという議論もある。実際、時として知識が思考を縛ってしまうということは起こりうる。例えば子どもが最初に親に教わったことを盲信して、先生の教えに従わないなどという場面に現れることがある。子どもだけではない、がんこな職人が自分の経験しか信じない、権威の言うことを鵜呑みにして他の可能性を考えない、などということもある。要するに知識が推論を妨げるのである。そのときにはどうすればいいか。ここで登場するのが「メタ認知」である。メタ認知は、自分かその問題を解くための知識をどれだけ持っているか、自分が縛られて身動きできなくなっていないか、などということを自分自身でモニターし、自分の個々の知的活動を上から見るような認知活動である。つまり、大切なのは、メタ認知能力を身につけるように仕向けることなのであって、知識が邪魔だから減らすなどというのはとんでもない本末転倒である。